土壌の中にある有機物を総称して腐植と言います。
植物体を構成するリグニン、セルロースなどの高分子化合物は難分解性で、微生物によってゆっくりと分解されます。
分解の過程で、次第に水酸基が増えてマイナス電荷を帯びてきます。
この高分子化合物を腐植物質と呼びますが、マイナス電荷が多いため、陽イオンを引きつけて土壌粒子を結びつけます。
また、粘土鉱物もマイナス電荷を持ち、同じような働きをします。
こうして、腐植物質と粘土鉱物の2つの物質によって、強固な土壌団粒が作られます。
土壌団粒が作られると孔隙が増え、土は柔らかくフカフカになり、耕作も楽になり、作物の根張りも良くなります。
通気も良くなり、大雨が降った時に、雨水が団粒と団粒の隙間から排水されやすくなると同時に、雨が少なくても毛管力によって団粒の中の小さな隙間に水が保持されるので、排水性も保水性も良くなります。
土壌団粒を維持するためには、腐植物質が必要ですが、難分解性とはいえ徐々に分解されるので、たい肥を定期的に施用する必要があります。
?