鉄鉱物は、鉄を含む鉱物の総称で、ケイ酸塩鉱物、ハロゲン化鉱物、リン酸塩鉱物、酸化鉱物、水酸化鉱物、炭酸塩鉱物、硫化鉱物など多様な化学組成のものがあります。
中には、きれいな結晶構造を持つものもあります。
黄鉄鉱(パイライト)
硫化鉄の鉱物で、金色に輝く。
化学組成 FeS₂
結晶系 等軸晶系
結晶形 立方体、八面体、五角12面体
モース硬度 6~6.5
パイライトの名称は、ギリシャ語のpyr「火」に由来し、ハンマーで叩くと火花が飛び散ることから、ラテン語のpirites「火打石」を経て名付けられた。
湿気に弱く、酸化され、褐鉄鉱に変化し易い。
八面体の黄鉄鉱
五角12面体の黄鉄鉱
磁鉄鉱(マグネタイト)
酸化鉄の鉱物で、黒く、金属光沢を持つ。
化学組成 Fe²⁺Fe³⁺₂O₄
結晶系 等軸晶系
結晶形 八面体、斜方12面体
モース硬度 5.5~6.5
マグネタイトの名称の由来は、古代ギリシャの羊飼いマグネスが見つけたという伝説による。
強い磁性を持つ。
八面体の磁鉄鉱
赤鉄鉱(ヘマタイト)
酸化鉄鉱物で、赤茶色や鉄黒色をしている。
化学組成 Fe₂O₃
結晶系 三方晶系
結晶形 六角板状、うろこ状
モース硬度 5~6.5
ヘマタイトの名称の由来は、粉末が血のように赤いことから、ギリシャ語のhaimatitis「赤い血」を元に名付けられた。
最もありふれた鉱物。
ヘマタイトで置換されたアンモナイト化石