石灰岩の地層には、方解石の塊もよく見つかります。
化石採集に行った時に、化石の他に、方解石もいくつか拾いました。
中には、結晶の形がはっきりとしたものもありました。
方解石をハンマーで叩くと、きれいに平行四辺形の形に割れます。
子どもの頃、四角く割れるのがおもしろく、割り続けて、ずいぶん粉々にしてしまいました。
方解石(カルサイト)
方解石は、化学組成がCaCO₃の炭酸塩鉱物で、英名のカルサイトはラテン語のcalxが語源になっています。
モース硬度は3と柔らかく、簡単に傷が付きます。
結晶構造は六方晶系で、結晶形は針状、針頭状、陣笠状、板状、六角柱状、菱面体状などとても多くあります。
方解石には、劈開という一定面に割れ易い性質があり、3方向に劈開面を持っているため、平行六面体という直方体を斜めに押しつぶしたような形に割れます。
また、強い複屈折の性質があり、透明な方解石を通して向こう側を見ると、二重に見えます。
ヨーロッパでは、羅針盤が無い時代、太陽が出ていない天候の時に、位置を調べるコンパスとして用いられたそうです。
塩酸に浸けると溶けて二酸化炭素を発生します。
雨も酸性のため、長く雨ざらしにすると徐々に溶けていきます。
きれいに割れた方解石
化石山で見つけた方解石の大きな結晶体
透明方解石
黄金色方解石
桃色方解石
赤色方解石
複屈折により文字が二重に見えます。
霰石(アラゴナイト)
同じ化学組成を持った鉱物に、霰石(アラゴナイト)があります。
結晶構造は斜方晶系で、方解石とは異なります。
結晶形は六角柱状、針状のものがあります。
劈開は1方向です。
モース硬度は4です。
地上や地表近くで結晶化すると方解石に、地中深く、高温高圧下で結晶化すると霰石になるそうです。
霰石