南側の地域は海に面した場所で、電車に1時間半ほど乗り、バスで10分ほど行くと採集地に着きます。
採集には友人と数人で出かけることが多かったですが、この日は寝坊してしまい、出発の時間に間に合いませんでした。
それで、1人で友人たちを追うことにしました。
電車を降り、バスの時間を見ると、バスも出た後です。
しかも、1日に数本しかなく、次の発車時刻まで2時間もありました。
仕方なく歩いて採集地まで行くことにしました。
道路の片側は、海が広がり良い眺めです。
もう一方は、山側で岩肌が露出していて、地層が見えています。
しばらく歩いていると、軽トラのおじさんが、どこに行くのと声をかけてきて、目的地まで乗せてくれることになりました。
今とは違い、誘拐の恐れとか考えることもない、のんびりとした時代だったです。
歩けば1時間ほどかかるところでしたが、車で10分ほどで到着し、とても助かりました。
ここで、友人たちと合流できました。
この場所は、中新世の前期から中期にかけて、暖かい海の少し深い海底に、泥と砂が堆積してできた地層が見られます。
泥岩と凝灰質砂岩が交互に重なり、層を成しています。
結構、圧力が加わったようで、化石はつぶれて変形しています。
また、泥岩も硬く、剝れるように割れます。
泥岩中にはノジュールが含まれていて、割ると中からスナムグリのハサミがよく出てきます。
採集に行った当時は、岩肌がむき出しになっていて、どこでも化石を採集できるような状態でしたが、今は壁面はコンクリートで覆われ、化石を探すことはできなくなっています。
ウニ
カニ
カニのハサミ
ノジュールの中に入っていたカニのハサミ
巻貝
二枚貝
ツノガイ