生物農薬とは病害虫や雑草防除に使われる天敵や微生物の製剤をいいます。また、昆虫のフェロモンを利用した製剤もあります。
これらは自然界に存在する生物やその産生物を利用したもので、環境にやさしい農薬といえます。
BT剤はバチルス チューリンゲンシスという細菌(BT菌)を利用した生物農薬の一種で、アオムシやヨトウムシ、コナガなどの幼虫に効果のある殺虫剤です。
BT菌は、菌体内に結晶性の殺虫たんぱく質を作ります。対象の害虫が摂食により、このたんぱく質を体内に取り込むと、消化管内の消化酵素の働きによって毒性が活性化します。そして消化管の細胞が破壊され、やがて害虫は死亡します。
キャベツや白菜などアブラナ科の野菜を育てるとアオムシやヨトウムシなどの幼虫に悩まされます。幼虫を見つけるとその都度、取り除いてはいますが、このBT剤も併せて使用して被害が拡がらないようにしています。
BT剤は人畜、魚介類、鳥類に対する毒性が低く、有機栽培でも使用できる非常に安全性の高い農薬です。また、植物体内や水中、土壌の中では比較的早く消失し蓄積性がなく、生態系に与える影響が少ない農薬です。
?