菊は日本の国花であり、古くから愛されてきた花で、古今和歌集でも詠まれています。
濡れてほす 山路の菊の 露の間に いつか千歳を 我はへにけむ(素性法師)
栽培菊は、奈良時代に中国から伝わったものですが、日本にも各地にいろいろな野生菊があります。
野生菊の中には、古くから品種改良されてきた古典菊もあります。
嵯峨菊
キク科キク属の多年草
京都市嵯峨野にある大覚寺で、嵯峨天皇の時代に自生していた野菊といわれ、江戸時代に品種改良が進められた古典菊
花 色 朱、黄、白、ピンク、紫など
花 径 7~8㎝、細い管状の花弁
開花期 11月
草 丈 1~1.5m
日当たりの良い場所を好む。
達磨菊
キク科シオン属の多年草
西日本の日本海側、九州北部の沿岸の岩場に生息する野生菊
花 色 淡紫
花 径 3~4㎝
開花期 10~11月
草 丈 20~30㎝
葉が丸みをおび、厚い。
乾燥に強い。
日当たり、水はけの良い場所を好む。
竜脳菊
キク科キク属の多年草
新潟から九州宮崎の日当たりの良い丘陵や山地に自生する野生菊
花 色 白、淡紅
花 径 3~5㎝
開花期 10~11月
草 丈 40~60㎝、茎は細い
茎や葉の香りが、竜脳に似ていることから、竜脳菊と名付けられたとのこと。