きれいな結晶の柘榴石が、採集できる場所があると聞き、探しに行ったことがあります。
変成岩中に走る白いペグマタイトの岩脈の中に、赤褐色のキラキラ光る鉄礬柘榴石の結晶が見られました。
岩は硬く、ハンマーを振るうと結晶も割れたり、ヒビが入ったりとうまく取り出せません。
それで、風化して崩れた砂の中を探しました。
採集した鉄礬柘榴石
柘榴石はケイ酸塩鉱物で、化学組成はA₃B₂(SiO₄)₃又はA₃B₂C₃O₁₂で表します。
A、B、Cには次のような元素が入ります。
A=Ca、Mg、Fe²⁺、Mn
B=Fe³⁺、Al、Cr、Ti
C=Si、Al、Fe³⁺
結晶系は等軸晶系で、結晶の形は菱形十二面体や偏方多面体です。
モース硬度は7~7.5で、ガラス光沢があります。
色は無色、黄、褐色、赤、緑、黒などで、赤茶色のものが多いです。
結晶がザクロの赤い実に似ていることから、柘榴石と名付けられたとのことです。
また、ラテン語のgranatum(ザクロ)の意味に因んで、ガーネットと呼ばれるようになったとのことです。
柘榴石には、主に次のような種類があります。
鉄礬柘榴石 アルマンディン Fe²⁺₃Al₂(SiO₄)₃
苦礬柘榴石 パイロープ Mg₃Al₂(SiO₄)₃
満礬柘榴石 スペッサルティン Mn₃Al₂(SiO₄)₃
灰鉄柘榴石 アンドラダイト Ca₃Fe³⁺₂(SiO₄)₃
レインボーガーネット
デマントイド 灰鉄柘榴石に属します。
灰礬柘榴石 グロッシュラー Ca₃Al₂(SiO₄)₃
ツァボライト 灰礬柘榴石に属します。
灰クロム柘榴石 ウヴァロヴァイト Ca₃Cr₂(SiO₄)₃