植物の生育には不可欠な養分で、比較的多量に必要な要素を多量要素といいます。
C、H、O、N、P、K、Ca、Mg、Sの9要素でC、H、Oは水と大気中の酸素、二酸化炭素から供給されます。残りの要素は肥料として不足分を補う必要があります。
肥料の3要素といわれるN、P、Kは植物が最も多く必要とする栄養分で、肥料として与えることで生育の効果は大きくなります。
N 葉や茎の成長に欠かせないので葉肥ともいわれています。
P 開花、結実を促進するので実肥あるいは花肥ともいわれています。
K 根の育成を促進することから根肥ともいわれています。
植物の生命活動に必要量は少ないけれど、不可欠な要素を微量要素といい、Fe、Mn、Zn、Cu、Cl、Mo、Ni、Bの8要素が認められています。
肥料を施すことで、土壌中に不足しがちな栄養分を供給する必要がありますが、量が多過ぎても少な過ぎても植物の生育を阻害してしまいます。
Mg、K、Caなどの塩基類には相互に拮抗作用があります。1つの要素が過剰になれば、他の要素の吸収が妨げられることになります。
Mg欠乏
葉緑素の生成が抑制され、葉の葉脈周辺が黄色くなる症状がでます。Mgは作物体内を移動し易いので、欠乏すると古い葉から新しい葉に移動するため、古い葉から症状がでます。
K欠乏
KもMgと同様に古い葉から症状が現れ、葉の黄変が起こります。
Ca欠乏
新葉、葉先、根の分裂組織に現れ、果菜類ではトマトの尻腐れ果が知られています。他にはキャベツ、白菜の芯腐れなどの症状もあります。
トマトの尻腐れ果
Caは植物に吸収されにくく、体内移動しにくいため、土壌中にCaが多くあっても欠乏症が発生することがあります。しかし、石灰を多く施用し過ぎるとMg、K、リン酸の吸収を妨げることになります。
リン酸欠乏
株元に近い葉から白化が起こり、先端の葉は暗緑色になることが多いです。
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