植物は外敵から自分の生命や子孫を守るための防御機能を先天的に備えています。これは植物が長い進化の過程で獲得してきたものです。
渋み、苦み、辛みといった植物が持っている各種成分には、抗菌性や摂食阻害作用があり、植物が身を守るためのものです。
渋み
アントシアニン
赤紫色の色素アントシアニンは抗酸化機能とともに抗菌性や耐虫性を持っています。
タンニン
茶葉に含まれるタンニンは強力なたんぱく質凝固作用があり、抗菌性や摂食拒否反応を起こす効果を持っています。
苦み
トマチン
青トマトに含まれるアルカロイド、トマチンは鳥類や哺乳類に対抗した摂食阻害物質です。
ソラニン
ジャガイモの芽などに含まれるアルカロイド、ソラニンも摂食阻害物質です。
ニコチン
タバコのアルカロイド、ニコチンは毒性が強く殺虫作用があります。
辛み
グリコシノレート
アブラナ科の植物に含まれるグリコシノレートは、植物が捕食されたときにミロシナーゼと混ざり、イソチオシアネートが合成され殺虫作用を発揮します。イソチオシアネートには殺菌作用もあります。
アリシン
ニンニクやネギに含まれるアリシンには抗菌、抗カビ作用があります。
ニンニク
また、植物の葉は表面にワックス成分からなるクチクラ層で保護されていて、過度な水分の蒸散を抑えたり、耐病、耐虫性を高めています。
茎は細胞壁をセルロースやリグニンにより硬くして、抵抗性を高めています。
野菜は人が食べやすく改良しているので、低毒性となり、食味が良くなり、病害虫への対抗力は低下し、病害虫にとっても栄養豊富な美味しい食料になっています。
そのため、病害虫対策無しでは、美味しい野菜を病害虫に提供することになりかねません。
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